心も音も育つ瞬間!中学生のピアノコンクール挑戦で成長

心も音も育つ瞬間|中学生のピアノコンクール挑戦記

練習の工夫と成長エピソード|本番に向けた中学生のピアノ指導の記録


はじめに|ピアノコンクールに挑む中学生の姿

ピアノを習っているお子さんにとって、コンクール出場は大きな目標の一つ

その中でも思春期の真っ只中にいる中学生の挑戦は、心の揺れや自信のなさ、学校生活との両立など、想像以上にハードルが高いものです。

今回は、私が担当している中学生の生徒さんがピアノコンクールに挑戦するまでの過程と成長を記録としてご紹介します。


最初は“やらされ感”だったレッスン

今回の生徒さんは中学2年生。

ピアノ歴は長いものの、練習にムラがあり、モチベーションの波も大きいタイプでした。
近年コンクールから少し離れていたのですが、私は彼女の実力を知っていますので「もう一度コンクールに挑戦してみない?」と声をかけたことが今回の挑戦のきっかけです。

最初は、音に意志が感じられず、どこか他人事のような弾き方でした。
コンクールの出る挑戦を決めてくれたのは嬉しかったのですが・・・

「この子、本当に挑戦したいのかな?」そんな疑問を感じていたのが正直なところです。


小さなスイッチが入った日

転機は、ある日のレッスンでのこと。
同じ曲を弾いている子が教室に2人。
別のコンクールなのですが同じ曲に挑戦している中学生が2人いまして、2人で弾き合い会をした時でした。

演奏が終わると

「テンポに安定感があると思った」
「強弱が自分よりもあると思った」

お互いのいいところをすんなりと自分の言葉で言うことができました。いつもなら弾き終わると

「・・・・・ちーーーん。」

って雰囲気なのですが、その日は違くて、
相手のいいところを素直に褒めて、素直に受け取り喜ぶ2人がいました。
とてもいい空気感でした・・


“音”の変化は“心”の変化

その時を境に、少しずつ取り組みが変わりはじめました。
表情のある音、柔らかい音、間の取り方…。

私自身、技術指導に加えて心を動かすアプローチを意識していますが
まさに、“心が動いた瞬間”をみました。
その日のレッスンは

練習結構した?・・・「うん!練習頑張った!こんな風に練習をしてる。」

練習の仕方も具体的に言えるようになりました!
音楽を通して「自分を認める」ことができるようになった瞬間でした。


嬉しかった成長エピソード

コンクールが近づくにつれ、不安も口にするようになりました。

  • 「うまく弾けなかったらどうしよう」
  • 「上手く弾けなくてイライラしてしまう」

でもその反面、彼女の中で確かな変化が生まれていたのです。

本番直前、レッスン終わりにこう言いました。

「新しい曲も弾いてみたい!」

挑戦が終わった後も、「もっと弾きたい」「次の目標がある」——
そんな気持ちが育っていたことが、何より嬉しかったです。


ピアノコンクールが育てるもの

ピアノコンクールが与えてくれるのは、「結果」だけではありません

  • 自分の音に責任を持つ力
  • 感情を言葉でなく、音で表現する経験
  • 心を整えて、本番に臨む集中力
  • 自分を信じる力

中学生という多感な時期に、こうした体験ができることは、その後の人生にもきっと意味があると感じています。

【生徒の変化】1ヶ月前と本番直前の音の違い

1ヶ月前のレッスンでは、音の粒はそろっていても、どこか“練習した感”のある演奏でした。
テンポも一定で、間違えずに弾くことには集中しているのですが、どこを伝えたいのかがまだ見えてこない

言葉にすれば「ちゃんとしているけど、まだ“音楽”にはなっていない」という印象でした。

でも本番1週間前、最後の通し練習をしたとき——
明らかに音が違いました。

強弱が自然に生きている
間の取り方に“呼吸”が感じられる
何より、本人が“伝えたい”という意思を持って弾いている

そんな音に変わっていたのです。

こちらが教えたことだけではない、自分で“感じたこと”を音にしている
まさに「音楽と心がつながった瞬間」でした。

レッスン室の空気が少し張り詰めるような、でもあたたかい音の流れに包まれて、
私はただただその音に聴き入っていました。


おわりに|心と音が育つ瞬間を大切に

結果以上に、「音楽と自分に向き合う時間」

この挑戦の記録が、同じようにピアノを頑張っている中学生や、その保護者の方、指導者の方のヒントになれば嬉しいです。

結果以上に、「音楽と自分に向き合う時間」こそが本当の宝物
そんな瞬間に、これからもたくさん立ち会えますように。



夏のコンクール頑張ろうー😭!!!!

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